里山一斉調査

報告/酒井和子

日 時 1997年4月13日(日)9:45〜14:30
天 気 晴れ
場 所 堺市鉢ヶ峯の里山
参加者 51人
タイムスケジュールとコース

10:00〜12:10 出発〜谷津田〜圃場整備畑〜内河池〜リンゴ畑〜ツツジ尾根〜舗装道路〜中央道〜旧棚田
12:10〜12:45 旧棚田で昼食
12:45〜13:00 鉢ヶ峯の自然を守る会・堺自然観察会・日本野鳥の会の説明
13:00〜14:15 →@やぶこぎ探険コース : 鷹見台〜オオタカ尾根〜ホタル橋
       →A幼児コース : 鷹見台〜第二豊田川沿いの道〜ホタル橋
14:15〜14:30 まとめ、解散

内 容

 天気もよく、行く先々で野山の花々に出会え、 里山ハイキングにもってこいの日となりました。 お陰で参加者もスタッフも一日を大いに楽しむことができました。

 鉢ヶ峯バス停前で、野口さんから初めの挨拶があり、諸注意などを行ったあと、 参加者に3班に別れてもらいました。

 1班は近藤さんを中心とした”鳥をみたい”という人たちのグループ。人数も一番 多く、鳥のほかに、杉野さんの”顕微鏡”が威力を発してミクロの世界を垣間見る ふしぎ発見の観察となりました。
 2班は吉田さんと仁木さんを囲んでの”スミレチーム”。大人の方が多く、 じっくりと検索しながらの観察で、なごやかな雰囲気で進行しました。
 3班は元気な子供たちと初心者を率いて酒井と田中さん、 しんがりの太田さんでガイドしました。

 見るもの全てに興味をもってもらえ、里山に親しんでもらえました。

 カメラマン兼進行役の山本(浩)さんを悩ませたのは、 ちっとも列が先へ進まないこと。 何度も昼めしの時間がなくなるとせかされました。 でも、イラスト地図を手に、今どこを歩いているのかが小学生にもわかるので、 あせらない、あせらない。

 谷津田ではカンサイタンポポをはじめ、ツクシ、ナズナ、ハハコグサ、レン ゲ、タネツケバナ、オオイヌノフグリ、イヌノフグリなどなど畦の草花が”百花繚 乱”用水ではオタマジャクシのほか、石で”ミニハウス”を作るトビケラの幼虫も 発見。新緑とカスミザクラの淡い色合いが美しい内河池からの眺めを満喫し、ヒバ リやホオジロのさえずりを耳にしながら進むと、ツツジ尾根です。満開のコバノミ ツバツツジとザイフリボクの咲く曲がりくねった小径をたどりあれこれと観察、と 例年より暖かいというより暑いくらいの日差しの中を歩いて行きました。途中、ミ ツバアケビの花がたくさんついていて、雌花のメシベを手にのせてトンとたたくと ピョンと立つ遊びなどもして、ようやく昼を少し回ったところで旧棚田に到着。昼 食をとりました。

 休憩後に「鉢ヶ峯を守る会」と「堺自然観察会」、「日本野鳥の会大阪支部」の 会の案内を行いました。守る会の岸田さんから、現在堺市が「緑のミュージアム」 と「東西道路」の計画をすすめているとの説明があり、会としては6月にホタルの 観察会や「ホタルフォーラム」を行うなど、自然を保全する活動をしていきたい旨 の話がありました。

 午後からは、健脚向きのやぶこぎコースと幼児とお年寄り向きののんびりコース に別れましたが、ほとんどの方がやぶこぎに回られ、それも黙々と歩いて、すぐに 降りてきて、2コースが合流。ススキの原でカヤネズミの古巣を見たあと、まとめ をして解散となりました。

哺乳動物
カヤネズミ、ノウサギ、けもの道

樹木
アオキ、カスミザクラ、ナガバノモミジイチゴ、ウツギ、コバノミツバツツジ、モ チツツジ、ミツバアケビ、ヒサカキ、ヤマザクラ、クヌギ、コナラ、ヤブツバキ、 ホウノキ、ネズ、ウグイスカグラ、ザイフリボク、サルトリイバラ、クロバイ、ヤ マツツジ、コバノガマズミ、カマツカ、ヤマナラシ、ヒメヤシャブシ、カラタチ、 クサイチゴ

草花
カンサイタンポポ、セイヨウタンポポ、ホトケノザ、オオイヌノフグリ、タチイヌ ノフグリ、タネツケバナ、ヒメオドリコソウ、ナズナ、ハコベ、レンゲ、オオバ コ、ハハコグサ、ノビル、キツネノボタン、トキワハゼ、シュンラン、チゴユリ、 ショウジョウバカマ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、カスマソウ、オニタ ビラコ、コオニタビラコ、スズメノヤリ、スズメノテッポウ、ツクシ、イノデ、ベ ニシダ、タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、アリアケスミレ、スミレ、シハ イスミレ、ヒメスミレ

野鳥
スズメ、ヒヨドリ、キジバト、カラス、ツバメ、ムクドリ、ホオジロ、カワラヒ ワ、キジ、コジュケイ、シジュウカラ、メジロ、ウグイス、コゲラ、ヒバリ、ト ビ、ツグミ

蝶と虫
キタテハ、モンシロチョウ、ナミアゲハ、ルリタテハ、ヒメウラナミジャノメ、ヤ マトシジミ、ベニシジミ、トラフシジミ、ツマキチョウ、テングチョウ、キチョ ウ、テントウムシ、トビゲラ

田園風景
棚田、棚田の草花、カエル、オクマジャクシ、トカゲ、カスミザクラの群生、コナ ラの雄花・雌花、竹の子ほり

鉢ヶ峯の里山調さ  宮山台小学校4年 岡田 宗大

 今日、はちがみねに行きました。はちがみねにどんな草花や木、鳥がいるのか調 べにいきました。リーダーの人がいろいろな花の名前や木の名前を教えてくれまし た。葉っぱをさいたり、ささと竹のちがいを教えてもらったり、セイヨウタンポポ かカンサイタンポポがさいているのかしらペました。ほとんどがカンサイタンポポ でした。タチヌノフグリをみつけたり、小石をつかって家をつくるトビゲラも見ま した。
 いちばんおもしろかったのは、アケビのめ花を手のひらにのせて、手くびをたた くと、めしべがおきあがるのを教えてもらったことです。さいごはかやねずみのす をみました。ぼくは、かやねずみはすを見つけにくい所につくるから、かやねずみ はすごいと思ったけど、それをすぐ見つけるリーダーのひともすごいと思います。 もし、またあったら、しんどかったけど、いきたいです。

参加者アンケート

カスミザクラが青空とマッチして大変美しかった。里山ののどかな景色に深呼吸 してはっとしました。オタマジャクシがもう泳いでいるのにぴっくり。もう少し遅 いかと思いました。カエルの声、今では都会では聞けなくて、なつかしいでした。
参加人数が多かった。天気がよくてよかった。昼飯の場所一広い所で食ペやすい 所がよい。
スミレにもいろいろな種類があって、違いをみつけるのがたのしかった。いきな り全部を覚えるのではなくて、少しずつつながりで覚えていくとたのしいことが面 白かった。やぶこぎの中はひんやりとして気持ちよかった。名前を一つずつ覚える たぴに鉢ヶ峯の自然に愛着がわきます。
たんぽぱ畑がきれくて良かった。内河池のカスミザクラの景色がきれいかった。 タカ見台からの景色もよかった。 ・ふだん見慣れた木や花も、detailまで観察すると実にすばらしい。 ・とにかく何でも面白かった。自然をよく見ると、それぞれの営みをしているのが よくわかり面白い。また来たい。
季節が早く、色んなものが芽吹いていたので、沢山のものが見られて良かった. 市長にきてもらって里山の良さを判っていただくこと。里山は絶対に失いたくな い。
一人で歩いていても見逃してしまうような草花。それらを一つ一つ丁寧に教えて 下さりありがとうございました。改めて自分が何も自然のことを知らないんだなと 思いました。
見る物、皆、珍しく、楽しかった。
お天気がよかったので、よいハイキングができました。たくさんの植物や風景が 見れてよかったです。カヤネズミの巣が見られた。アリアケスミレ、コナラのお花 (かんざしのような)シデザクラなどがよかったです。