堺市別所地区のゴルフ場拡張計画について

鉢ヶ峯の自然を守る会 代表 清水 俊雄

天野山C.Cの拡張計画問題の経緯
 堺市の南部丘陵地には、すでに三つのゴルフ場があります。その中の一つ、天野山C.Cを経営する大和開発観光は、堺市の別所地区に48haの拡張計画を立て、今年3月末に堺市に事前申し出書を提出しています。(その業者は昨年8月にも同申請をし、その後取り下げています。)
 「守る会」では、6月12日に事実関係と審査の進捗状況を聴くため、堺市企画調整部と話し合いの場を持ちました。その結果、当件は現在堺市において立地条件等を審査中とのことがわかりました。つぎのステップは、市の職員で構成される大規模開発調整委員会で協議があり、このゴルフ場開発の可否が判断され、業者に対する行政指導が行われますが、かりに認められることになった場合、最終的に業者から開発許可申請が堺市に対して出され、市長が許可をだすことになります。
 このように現在、重要な局面を迎えることから「守る会」のスタッフが対応を協議し、7月17日に別掲の通り、4団体連名で、別所のゴルフ場拡張計画に反対する旨の申し入れ書を堺市長宛に提出しました。
堺市環境基本条例を絵に描いたモチに終わらせていいのか
 別所の森は、和田川の源流に位置し、その水は下流域の農業用水として利用されています。また、そこは堺・和泉・河内長野の各市にまたがる緑地の核にあたる所で、府下ではめずらしいアカシデなどの広葉樹が見られます。生態系の頂点に位置するオオタカ等が棲息できるのは、この豊かな自然環境があるからです。
 いま広葉樹の森を結び、野生の生物が行き来できる緑の回廊(コリドー)の必要性を求める提案がされています。それは、野生生物と人間との棲み分け以外には、共存共栄の道はあり得ないと考えられているからです。(丹沢自然保護協会)
 堺市は、開発業者に対し行政指導するにあたって、環境基本条例(次ページ参照)を遵守し、かつて行われた南部丘陵地の自然環境の保全と活用についての市民アンケート調査結果を尊重すべきですし、今回のゴルフ場拡張計画の開発申請に認可のゴーサインなど出すべきではありません。
今後の取り組みと署名活動へのご協力のお願い
 すでにゴルフ場拡張計画反対の署名活動に入っています。
8月1日に泉ヶ丘と堺東で街頭署名活動を行います。署名の第一次集約を8月21日までに行い、8月24日に堺市長ならびに堺市議会議長宛に陳情書とともに提出の予定です。
 堺市に残り少なくなった自然環境を保全するため全力で取り組んで参りたいと思います。会員の皆様には、4団体による緊急の取り組みの趣旨をご理解いただき、署名活動にご協力下さるようお願いいたします。