鉢ヶ峯墓地拡張問題 - 堺市公園整備課との話し合い

1999/10/13

岸田元男

10/13 公園整備課との話し合い

出席者
 堺市 嶋田課長、西野次長、田村課長代理
 鉢ケ峯の自然を守る会 3名

墓地の新規開発計画の概要

現況の墓地は48.8ヘクタールに1.5万基の墓がある。新規開発は北ブロック(法道寺川より北)が
11ヘクタールで田んぼ1枚分のみ買収済み、南ブロック(第2豊田川と法道寺川の間)は17.5ヘクタールで田んぼ一枚を残して買収済みとなっている。
今回具体化しているのは新規エリアではなく、現況の墓地内の法道寺川東側の整備である。後に南ブロックからおいおい整備する予定。

あるがままの墓地需要に追随するだけでなく、今後の墓地のあり方について、行政として市民への意識啓発を行なってほしいという要望に対して

墓地の需要は高橋理喜男氏が考案した大阪府方式によって算出している。
年間遺骨発生数÷世帯数が元になっている。今後団塊の世代の墓地が必要になり、2030年には25000基の墓地を必要とし、うち1.5万基の公営墓地の需要があると見込んでいる。
核家族化により建立後30年で無縁化する墓地が増えると見こまれ、そうした墓地は合葬し、空いたスペースを循環使用することを考えている。

今後の墓地整備のイメージ

墓地整備のイメージとしては昭和20年代のウェットな整備(道は狭く、小区画に分かれ、水辺の空間も残す)と昭和40年代のドライな整備(道や区画が広く、水辺空間がほとんどない)の中間ぐらいと考えている。ウェットの方が生物にも適した環境であるが、墓参の人には蚊などが多い環境は好まれない。両方を意識している。

新規ブロックの開発について

東西道路がどう延伸するのかが決まっていないので新規ブロックについての基本設計が出来ない。
南ブロックのオオタカ尾根の東側の休耕田の部分に墓地を作る計画である。オオタカ尾根ののり面もひな壇にして墓地としたい。
第2豊田川沿いについてはどういう整備にするかまだ決めていない。1聖地当たり2.5平方メートルぐらいでコンパクトにしたい。
現況エリアの整備は平成15,6年には着手したい。
墓地整備事業は独立採算であり、その意味で金がかかるような大規模な工事は避けたい。
他事業からの収入としてはたとえば酪農団地の整備事業に必要な緑地にオオタカ尾根部分をあてることなどが考えられる。

土質と樹林

鉢ケ峯のあたりの土質は粘土シルト系でありウェット化は大雨のときにがけ崩れが起きたような事態を促進させる心配がある。
樹林の残存については継続できる樹種であるか、メンテナンスの費用はどうかを考慮して決める。たとえば斜面に根が横に張る樹種を残せばがけ崩れの原因になる。

その他

市民参加のあり方については一定のたたき台を行政として出したほうがよいのか、一から話し合う場として設定したほうがよいのか。以前最初からの話し合いにしたところ住民の利害が絡んで話し合いが難航した経験がある。
 ゴルフ場は芝生とその下の層がスポンジのように水を吸収するので保水力は高い。泉ヶ丘カントリーは以前は土取り場で裸の状態だった。

公園整備課から聞いた話をまとめました。われわれが知らない間に墓地拡張計画も着々と進行しているという印象を受けました。
今回の話し合いは情報公開で得た整備計画について確かめにいく、というものでした。4月にいったときにはそういう具体的な計画があるという印象は無かったのですが。今後の情報の取り方と確認の仕方について課題があると言えます。
会としての意見をまとめ具申して行く必要があります。