鉢ヶ峯の自然を守る会10周年を迎えて

これまでの10年とこれから

鉢ヶ峯の自然を守る会代表 清水俊雄

自然を守る会に改組し活動展開
1993年4月に、それまでの「鉢ヶ峯の自然環境とゴルフ場問題を考える会」を、ポストゴルフ場問題に対応すべく、「鉢ヶ峯の自然を守る会」に改め再スタートしました。「堺市鉢ヶ峯寺地区とその周辺の豊かな自然環境を保全し自然を生かした地域づくりを実現するための活動を行う」と目的を定め、各種観察会や調査の実施、シンポジウムの開催、他団体との連携、ニュースレターの発刊、行政への提言等、多様な活動を展開してきました。

里山を取りまく変化
ホタルフォーラムこの10年間に里山を取りまくバックグラウンドが大きく変化しました。「バブル崩壊後の経済情勢の悪化」、「官主導から住民参加型のまちづくり」、「市民社会の中でのNPOの役割」、「環境保全が官民共通の取組課題」等。このような背景を受け、行政の、市民団体に対する姿勢にも変化の兆しがあらわれています。当初は情報公開も少なく意見を聞き置く程度で、ガードが固く(今もそのスタンスは消えていない)、片方向の働きかけで終わることが多かったのですが、最近では双方向の協議をする機会が多くなってきたことを実感しています。これは、新しい市民社会への芽生えであり、成熟するまでには、まだしばらく時間がかかるものと思われます。

対立から協働を目指して
芝刈作業この10年の本会の活動を振り返ってみると、開発問題などを巡り、行政や企業と対立する経緯もありましたが、対立だけからは必ずしも良い結果が生まれない場合もあることを学びました。大阪府主管の天濃池ビオトープ事業で、府と市、守る会が協議を重ねて市民参加による会を発足させ、ため池のエコアップを図っていこうとする先進的な取り組みが、この度、始まりました。今後、里山の自然環境の保全を考えるとき、各主体(行政、事業者、地域住民、農業者等)の立場を理解しながら是々非々の姿勢で話し合い、さらなるパートナーシップを目指していきます。

会員の支えあればこそ
これまで守る会が活動を続けてこられたのは会員の皆様方のお力添えによるところと思います。会費を納入して会の活動を支えていただいたり、各種行事に参加していただいたりのバックアップがあってここまで存続できたことに思いを致さなければなりません。今後とも引き続き会員の皆様方のご支援を宜しくお願いいたします。

芝刈り後の記念写真ごみ拾い記念写真皆で鳥をみている