「堺市緑の基本計画の一部改訂」及び「堺市緑の基本計画推進プラン」の案に対するパブリックコメントについて

堺市は、緑の基本計画の改訂及び推進プランの案を作り、案に対する意見募集を行いました。当会は、諸般の事情により、会としての意見を出しませんでしたが、清水さんが、個人として意見を提出されましたので、参考として、以下に掲載します。
堺市緑の基本計画の一部改定(案)及び堺市緑の基本計画推進プラン(案)に対する意見

清水 俊雄

 昨年9月、当会から「管理運営に関する検討会」の場へ「自然ふれあいの森」への意見を提出しました。4回に亘る検討会において、当会の意見の一部は検討会の「課題の整理」の項目に表されていますが、検討が不十分なものがありますので、改めて堺市の考えを示されるよう申し入れます。また、同検討会から堺市長に提言されたことについての検討結果についてもお尋ねいたします。
 なお、本申し入れ書を事前に送付いたしますので、平成14年2月25日までに下記の(1)、(2)の申し入れ項目毎に可否等の理由を添えて文書にて回答されるようお願いいたします。

 堺市南部丘陵地の里地、里山は、大方が民有地というなか、これまで利活用という開発の波にさらされてきた。まさに無秩序な開発を抑制する制度を早期に策定することが緊急の課題である。堺市はこれまで都市公園などの創出する緑についての施策は、行われてきたが、保全する緑の施策は、社寺林、古墳などの古樹名木の緑が中心で、河川、溜池、草地、棚田、雑木林をふくむ、多様な自然生態系(含む景観)としての里地、里山の保全については、今、緒についたばかりである。これまでの、堺市の公園行政(緑施策)のなかで、里山生態系という概念が、欠落していたと言っても過言ではない。本質的な緑(自然)とは、多様な生き物が生息しているところであり、都市公園に何本植栽したという数合わせではない。本来、その土地にあるべき、在来の種を創出または保全し、多様な生き物が生息できるような環境づくりをすることが、緑プランが根付いたことになるのでは・・・・・・.
 緑が即ち自然ではなく、生き物が生息していなければ自然ではないとの、視点を捉えなおすことが重要である。
(1)  堺市南部丘陵地の里山を保全するために、「堺市里山保全条例」の策定を提言する。
開発を抑制し、将来世代に引き継ぐために、南部丘陵地の守るべき地域を条例に基き指定し、土地所有者と保全のための協定を締結する。市民など、各主体の参加により、里山管理など保全活動を推進させる。因って、無謀な開発や、産業廃棄物の不法投棄から里山を保全する効果も生まれる。
(2)   緑施策の中に、生物多様性保全の対策を、講じることが重要である。堺市にあって、残り少ない種を絶滅に向かわせないために、地域指定などの、予防的措置を進める必要がある。保護地域を中心に森林、水系の連続性を保つため、里山生態系のネットワークづくりをする。
(参考) 絶滅危惧種や希少種(オオタカ、フクロウ、カスミサンショウウオ、ゲンジボタルなど)

以上