映画「白神の夢」と環境団体交流会報告

岸田 元男・ハイジ(当会会員)

11月6日の映画「白神の夢」と環境団体交流会に参加しました。
事前の取り組み時間が足らず、ニュースレター上で十分な案内が出来ていませんでしたが、当会も協力しています。
映画は白神山地を後背地として持つ秋田県の八森(ハチモリ)町。
かつては鉱業の年だったが90年に資源が枯渇し、改めて自分たちの町について見直していくという話。鰰(ハタハタ)がたくさん取れるところだが、一時漁獲量が減っていたのを3年間漁獲を禁止し、その後も漁獲可能量の半分に抑えた事により、徐々に鰰が増えていく。この町には海の資源を維持するために昔から留森(とめもり)と呼ばれる里山があり、400年ほど前にそこの木を伐採したところ、魚が捕れなくなったことから木を切ることを留めたといわれている。
白神山地は開発から逃れてきたため、原生のブナ林が残り、そこではたくさんの酵母菌が採取され、その中からパンに使う白神こだま酵母が発見されている。
そんなふうに白神山地に抱かれ、白神山地を源流とする水系の自然の恵みによって人間の暮らしがあるということを小学生が様々な講師を介して目覚めていくということを縦軸にした映画でした。従って白神山地そのものではなく、白神山地に育まれて生きる地域の人々が自分たちの環境を見直していくということをテーマとした話でした。
全校で七十余名という小さな小学校を持つ地域であり、わたしたちが住む地域との違いはずいぶんありますが、それを差し引いても地域で生きるものとしての協同のあり方について示唆するところがある映画でした。
600人の席はほとんどが埋まり、盛況でした。年配の方が多かったのが印象的でした。
ニュータウンなど、かつての新興住宅地もいまや定年を迎えた人たちが多数を占めるようになり、地域作りがとても重要な課題となっています。参加した多くの方はおそらくそのような観点で見ておられたのではないでしょうか。
終了後、桃山大学の津田先生の音頭取りで南大阪地域の環境団体等のメンバーが交流会を持ちました。当会からは私のほか、野口さん、清水さんが参加しました。神於山の保全運動「神於保全クラブ」をしている方も来られていました。話をしているとその方は堺市内の障害者の授産所の理事長でもあり、そこでビオトープ(池づくり)をしているとのこと。ついては和田川水系の環境を作りたいとのことで、鉢ヶ峯からもなにか移せるものはないかと相談を受けました。
今回の映画会が盛況のうちに終わったのは、自分が住む町を中心にパンと食事作り、高齢者の昼食会など様々な活動をしてきた佐藤さんをはじめとする地元の女性たちが活躍した結果でした。
この交流会で改めてその活動の重要さを知り、地域に住む有志が自発的に必要な活動をすること、そしてその活動を通じて仲間作りをすることのすばらしさを知りました。 

(以上 岸田)

白神山地の海や森の四季折々の美しく雄大な自然を紹介しながら、自然を尊び自然と共に暮らしている白神(八森町)の人達の素朴な生活と心豊かな交流、そして、地球規模?!で生み出している自分達の村の自然の尊さを、目を輝かせながら多くの感動と共に学んでいく子ども達の姿に子育て中の親としてはうらやましい限りでした。なかでもミジンコの学習のシーンは印象的でした。みんなでため池にミジンコ捕りに行き、顕微鏡下ではあったけど直接に肉眼でミジンコの心臓の鼓動、力強い生命力に触れた子ども達のあの時の感動、きっと一生忘れないでしょうね。「ミジンコはミジンコしているけど人間は人間しているか・・」というナレーションが心に残っています・・。

(以上 ハイジ)

ページ先頭へ