別所・カスミサンショウウオ・プロジェクト

−ビオトープと周辺湿地の草刈り作業−

(報告:酒井和子)

日 時
2005年7月16日(土)9:30〜10:40
集 合
上別所スポーツ広場9:00
参加者
府大・夏原由博先生(カスミサンショウウオの説明も)
川田勝彦さん、岸田元男さん、熊谷篤司・紀志子さん、田中伸彦さん、田中稔・仁子さん、中西伸さん、野口隆司さん、増田幸子さん、<鞭目和幸さん>、山本浩平さん、山本哲央さん、横島彪さん、横手紘治さん、吉田薫・栄子さん、酒井和子 
先生+17人=18人
作 業
夏草が生い茂り、猛暑の中、少人数での草刈りは大変かと思いみなさんに呼びかけたところ、沢山の方が参加下さってうれしい悲鳴になりました。暑くならないうちに作業を終わらせるため、今回に限り、車に分乗してビオトープ地まで行きました。事前に鞭目さんが地道の草を刈っておいて下さったので助かりましたが、予想通りビオトープと周辺湿地は草で覆われ、どこがどこか見分けがつかないほどでした。
9:30に作業を開始。草刈り機がブーンとうなりだし、用水路や畦の草が鎌でシャシャと刈られて行きます。すぐに玉の汗、Tシャツもぐっしょり。手がたくさんあるので作業はどんどん進み、小半時もしないうち辺りはすっきりしてきました。休憩の後は刈った草を地道の脇にまとめ、夏原先生からカスミサンショウウオの説明を聞き、ほぼ約束の時間に作業を終了しました。
その後、先生が大学で育てられた幼生9頭を、無事成長するようみんなで祈りながら用水路に放しました。
現地の囲いの中で卵から幼生に成長しているものも数頭確認でき、3年後産卵に戻ってくれるよう願いました。

草刈り作業

作業後

先生のお話
今春はビオトープでの産卵は、残念ながらありませんでした。少し上流の湿地の、水が流れこむ辺りで1対確認しただけでした(下流のショウブ池では4対確認)。ビオトープは木陰を作ってやること、それに産卵場所には湧水や流れも必要です。今後はその点も配慮しながら生息環境を復元していきます(10月に再度、ビオトープ整備作業をします)。

幼生の放流

ビオトープ
「カスミサンショウウオ・プロジェクト」ですすめているもので、天野山カントリークラブとの公害調停和解後、夏原先生の指導のもと、2001年から『丘陵性湿地生態系復元実験』として行っています。
日本生態系保護協会・石井実監修『生態学からみた里やまの自然と保護』(講談社)の中で夏原先生が「カスミサンショウウオのメタ個体群解析と保護」を執筆されています。開発地の絶滅を防ぐための事例報告です。
 GISを使って個体群の移動を推定したり、様々な環境から見た存続の可能性をシュミレーションしたりして分析されていますが、開発による絶滅リスクも大で、今後の研究が待たれます。
参 考
ショウブ池は例年とほぼ同じ状況だったが、ビオトープはニホンアカガエルの産卵場所になっていて、カスミサンショウウオの卵のうは見あたらなかった。しかし近くの湿地で、夏原先生が新たに掘り起こした水たまりでは見つかっており、また、水が流れ出るような辺りが好まれるようなので、次年度は新たな水たまりを作って“誘致”しようということになった。

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