鉢ヶ峯と野鳥

横島 彪

 「堺自然ふれあいの森」(本年3月末に開園予定)で、清水氏や室原氏と共に調査活動を始めるようになってから、私は、月に5〜6日は鉢ヶ峯に通っています。日本野鳥の会大阪支部の定例探鳥会を始め、この地で継続して野鳥観察をしていると、思わぬ野鳥や出来事に出会うことがあります。 
 圃場の水路でタマシギに出会ったのは、一昨年の2月のことでした。昨年1月には「ふれあいの森」の湿地でヒクイナに、また12月には尾根みちでヤマシギにも出会いました。これらはいずれもオオタカ同様、大阪府で絶滅危惧種に指定されています。開発等による生息地の減少が原因です。まさに鉢ヶ峯は今、道路など開発の波が押し寄せています。普通種も含めてこれらの鳥が、これからも生息して行けるかどうかは、非常に厳しい状況です。私は、ホトトギスの鳴き声が聴かれなくなったときが、鉢ヶ峯から里山が消えるときだと思っています。
 また、今年の正月には、「ふれあいの森」の水田跡で、オオタカがセグロセキレイを追跡しているのを目撃しました。朝日に輝いて一瞬オオタカの背が青く見え、オオタカが別名アオタカ(蒼鷹)と呼ばれる所以が理解できました。
 今年はなぜか、カモを始め冬鳥が種類、数共に少ないようです。昨年の冬は、通常山深いところにいるカケスなども下りてきて、冬鳥に限らずたくさん見られたのとは対照的です。例外は、内河池にオシドリがたくさん来ていること。これも先日、カモの調査でそこを訪れたときのことです。オオタカがオシドリを急襲し、驚いたオシドリは一斉に池の中央に飛び出しました。その数50数羽。それともう一つ、ハイタカ類がしばしば目撃されていることです。まさか、タカが冬鳥を食べてしまったと言うことではありますまい。
 山に小鳥の餌となる木の実が豊富なためか、あるいは夏の異常気象で、冬鳥の繁殖に影響があったのか、原因はいろいろ考えられます。いずれにしても、今年の渡りの時期まで、注意深く観察を続ける必要があります。
鉢ヶ峯定例探鳥会  こげらの森

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