市長あて鉢ヶ峯地域におけるみどりの保全を求める要望書を提出

鉢ヶ峯地域におけるみどりの保全を求める要望書

平成21年11月13日

堺市長 
 竹山 修身 様

鉢ヶ峯の自然を守る会
代表 米道 綱夫
  

 本会は、1992年に鉢ヶ峯地域で計画されたゴルフ場開発問題をきっかけに発足し、この間、里山と人のかつての関わりを生かした「里山公園構想」の提案、様々な自然観察会・生き物調査やシンポジウムの開催など、里山自然の保全と再生に向けた取り組みを行っています。
 過日、堺市農業公園「ハーベストの丘」の南側に位置する石津川源流部の樹林地周辺で開発の動きがあると仄聞し、堺市関係部局に確認を求めたところ、残土処分等の計画があることが明らかになりました。当局から正式な書類が提出されていないので具体の計画内容は説明できないが、本計画が堺市環境影響評価条例上の対象事業に該当し同条例が適用されるとのことでした。このことから計画予定地は広範囲に及ぶ大規模なものであることが推測されます。
 計画予定地が位置する南部丘陵地は市域に唯一残された豊かな自然環境に恵まれたところであり、堺市総合計画「堺21世紀・未来デザイン」において、無秩序な土地利用を抑制することによって、良好な自然環境を保全するとともに、市民が身近に自然とふれあい憩う場として活用することが謳われ、さらに「堺市緑の基本計画」においても南部丘陵地の多様な自然環境と生き物の保全を目標としています。その中でも当該計画予定地を含む100haを超える鉢ヶ峯地域は南部丘陵地の中でも中核をなすエリアであり、堺市の保護上重要な野生生物(堺市レッドリスト)のAランク(最重要保護)になっているオオタカ、カスミサンショウウオ、クロメダカやヘイケボタルをはじめ、多様な生き物を育み、貴重な里山生態系が形成されています。因みに、平成6年2月に作成された堺市南部丘陵検討委員会の「南部丘陵地域基礎調査及びゾーニング報告書」において、鉢ヶ峯地域は南部丘陵地の中で保全ゾーンに区分され、「流域を単位とする河川、ため池を含むトータルの環境の保全に重点を置き、その強力な施策としてエリア全体の土地の公有地化等が必要としています。
 これまで述べたとおり、計画予定地及びその周辺は南部丘陵地のシンボルと言える広大な森が残され、豊かな生態を育み、市民にとって次世代に引き継ぐべきみどりの共有財産であると言っても過言ではありません。万一に残土処分等が行われると樹林地が消失し、そこに生息する生き物が壊滅するだけではなく、周辺の生態系をはじめ営農環境や人の生活に大きなダメージを与えることが危惧されます。
 
このことから次のことを要望いたします。
 
【要望事項】
1. 先の堺市長選挙において、「竹山おさみマニフェスト核となる施策」第1章の重点政策1の6.において「住民と共働し、太陽光をはじめとするクリーンエネルギー、エコロジーのまちづくりを行います。」、又、重点政策3の33.において「情報公開を徹底的に進め、広く市民の声を聴き、市政を『見える化』します。」と市長は市民に約束されています。さらに、先日の堺市議会において「環境モデル都市としての先駆的な取り組みを展開するとともに、CO2削減に結びつく環境共生型のまちづくりを進めます。」と所信を表明されています。
これらマニフェスト等を踏まえて、当該計画の全容を明らかにするとともに、エコロジーのまちづくり、環境共生型のまちづくりの実現に向けて、樹林地の消失と生態系を壊滅する当該計画を認めないでください。
2. 今年9月1日から9月28日の間、堺市は「堺市緑の保全と創出に関する条例(案)について市民に意見募集(パブリックコメント)を実施されました。本会メンバーからも同条例案を補強する意見など、意見書を提出したところです。
この間、市街地の近くにある南部丘陵地など、身近なみどりの里山自然は開発の圧力が高く、堺市においてもゴルフ場開発や残土処分等で保全すべきみどりの多くが失われてきました。
今から10年前より、本会は南部丘陵地の身近な自然環境の保全と再生に向けて「仮称:南部丘陵の保全・再生条例」の制定を堺市に提案してきましたが、陳情事項1.を担保する仕組みとして、早急に「堺市緑の保全と創出に関する条例」を制定してください。

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