堺市緑の保全と創出に関する条例(案)に対する 意見について(報告)

報告/野口 隆司

堺市緑の保全・創出条例案に意見書を提出

堺市は、「緑を取り巻く市の現状と課題に対応し、緑の保全と創出について基本的施策を定め、都市緑地法等の法令とあいまって、総合的かつ計画的に推進し、緑豊かでうるおいのある良好な都市環境の形成の実現をめざす。」(堺市の意見募集原文を転載)として、今年の12月市議会に「堺市緑の保全と創出に関する条例」を上程する予定です。

議会上程に先立って、堺広報誌や堺市HPに市民の意見募集(9月1日(火)から9月28日(月)まで)を掲載しました。
本会メンバーがこのことを知ったのが締切り日の数日前であったため、個人での意見提出になりました。数名のメンバーが意見を提出し、今回は2人の意見概要を掲載します。なお、市民の意見に対する堺市の考え方、案の修正点とその理由等は後日、市のHPで公表されます。

 堺市HPはこちら

里山自然の保全・再生の新たな展開を目指して

今から10年前の1999年に堺市が第4次総合計画の策定にあたって、市民からひろく意見の公募を行いました。本会から (1)里山のあり方、(2)保全と再生の方策、(3)鉢ヶ峯の里山公園構想を提言し、その実現を担保する制度して(4)「南部丘陵の保全・再生条例案」などの政策提言(*)を行いました。
 10年を経て、ようやく里山自然等のみどりを保全する仕組みが作られようとしています。今後、条例が画餅に帰すのか、有効に機能するのかが問われます。本会として堺市が受け身ではなく具体の保全緑地の指定などを積極的に行うよう、引き続き働きかけていきたいと考えています。
(*) 政策提言の詳細は、本会HP(「鉢ヶ峯の自然」で検索)でニュースの欄をクリックし、1999年7月23日【堺市第4総合計画】市民グループまちづくり提言の項をご覧ください。

【条例に対する意見・要望要旨】

(1) 緑の保全について
@ 条例案の目的の中に、みどり環境の保全と創出は地球環境温暖化防止という観点を入れること。
A 緑の保全だけでなく、「緑の再生」という概念を入れること。
(2) 緑の政策審議会について
@ 審議会委員のなかに、「市民公募による委員」、「緑の保全・創出活動を行っている市民・自然環境保護団体」や「農業従事者」を選出すること。
(3) 堺市緑の基本計画について
@ 堺市緑の基本計画の策定において、緑地保全法第4条第4項の公聴会の開催等住民の意見を反映させるだけでなく、計画作成の初期の段階で施策に関する事項等について市民意見を募集する措置を検討すること。
A 条例案第22条の「保全緑地」を基本計画に定めることを明記すること。
B 基本計画の中に、みどりの保全・創出についての具体的な数値目標を入れること。
C 条例案第41条の緑の現況調査は、条例案第32条の市民等の参画と協働に基づき行うことを規定すること。
D 本基本計画の実行を担保するため、基本計画のアクションプログラムの作成を条例案に規定すること。なお、保全施策や保全支援の実施のための財源措置の考え方を説明すること。
(4) 保全緑地について
@ 保全緑地の指定において条例案第22条第1項の規定以外に指定規模等の指定要件があるのかを説明すること。
A 保全緑地は法の特別緑地保全地区等への移行を視野に入れた制度とのことだが、緑地所有者が都市計画決定が、特別緑地保全地区等の指定を望まず、市への緑地の借入れ(又は買入れ)を申し出された場合に対処できるよう保全緑地制度に借入れ等の規定を入れること。 
B 条例案25条で保全緑地内での行為の届出制で、但し書きにおいて「市長の許可を受けて行う行為については、この限りでない。」と規定されていますが、行為の原則禁止を規定し、軽微な行為や非常災害のための応急措置などの例外行為は許可という規定にすること。そうで無い場合、その理由と同規定の但し書きの許可基準を説明すること。
C 条例案第26条の保全緑地に関する支援として、固定資産税の減免、緑地所有者と市で締結の「緑地の保全・再生管理協定」による管理費用助成や技術援助などの措置を検討すること。なお、市が予定の具体の支援について説明すること。
(5) 市民等との参画と協働について
@ 条例案第34条及び第35条の活動団体の認定要件と必要な支援の具体を説明すること。
A 市・市民協働における行政の縦割りの弊害をなくすため。緑の保全施策や支援について緑政部局だけでなく、環境行政、農政、都市計画行政など、各庁内の協働・連携の体制が必要であり、庁内体制の仕組みを示すこと。
(6) その他について
@ 規則に定める事項を説明すること。また、当該条例規則案も市民の意見を聞く機会を設けること。

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