鉢ヶ峯地域における残土処分問題について(経過報告)

2010/01/07

鉢ヶ峯で残土処分計画があるって?
 本会の観察会の時などにおいて、内河池や石津川水系の支流である明正川源流部の樹林地周辺(ハーベストの丘の南側など)で環境コンサルタントと思われる人が生態調査をしているのを見かけたりしていました。さらに明正川源流部の樹林地で残土処分計画の動きがあるという話も聞き及び、環境影響評価条例に基づく生態調査であると推測されることから、今年8月中旬、本会メンバーが堺市環境保全部環境総務課に実情等についてヒアリングをしました。
堺市が開発計画の動きを認める!
 堺市環境総務課は相談段階であることから具体の説明は困難とのことでしたが、そのの中で残土処分等の計画の動きがあることが明白になりました。以下、堺市からの説明概要です。
@正式な開発計画は出ていない。今年の初めに2度程、事業者から依頼を受けた業者が来庁し、残土処分の計画があるということで相談があった。
A残土処分地の面積が大きく堺市環境影響評価条例の適用がある旨を伝えた。
Bなお、「発生土処分(残土処分)か、開発行為か」「具体の面積」は正式に計画が示されておらず、具体の内容について言えない段階である。
新市長に要望書提出
 その後、堺市長選挙があり木原市長に代わって竹山氏が新市長になったことや計画の詳細や進捗状況等を明らかにするため、12月市議会に向けて本会から堺市長への要望書と堺市議会議長への陳情書を11月13日に提出しました。
市長への鉢ヶ峯地域におけるみどりの保全を求める要望書
市議会議長への陳情書は、市長要望書とほぼ同じですが、「要望事項1.」の実現について市長に働きかけることを陳情しています。
12月堺市議会で詳細が明らかに
 12月15日、堺市議会産業環境委員会で田中丈悦市議が質問等をされ、堺市から(1)残土処分と開発計画の説明、(2)開発計画等に対する堺市の姿勢と堺市緑の保全・創出条例化の方針について答弁がありました。(詳細は12月16日付け「毎日新聞記事を参照」)
(1) 残土処分と開発計画の概要
開発予定者は、地権者の学校法人。
開発規模は約25ha。野球場、多目的グラウンド、テニスコートなどを造り、残土処理を計画。
(2) 堺市の姿勢
現行制度で開発を止めることは困難。
都市緑地保全法に基づく「特別緑地保全地区」指定は、地権者の協力がないとできない。
来年の次期(2月)定例市議会に「緑の保全・創出条例案」を上程する方針。
これからの取り組みにご協力を!
今から約20年前に鉢ヶ峯地域で約130haのゴルフ場開発計画がありました。ゴルフ場開発計画は、本会の前身団体や多くの市民が「堺にこれ以上ゴルフ場はいらない。里山の自然を保全しよう。」と立ち上がり、署名活動やシンポジウムの開催等を展開した結果、堺市は「開発を認めない」という判断をしました。すでにゴルフ場開発事業者は相当規模の土地を買収しており、堺市はゴルフ場開発に代わって農業公園「ハーベストの丘」の用地としてゴルフ場計画予定地を買い取りしました。
本残土処分等の計画地は、ゴルフ場計画予定地の残地として医療法人「恒昭会」とその系列と思われる学校法人等が現在も土地を所有していると推測されます。
12月市議会での堺市の答弁等から予断を許さない状況ですが、市長への要望の中で言及したように、万一に残土処分による造成が行われると堺市内で最も大きく、深い森が消失し、そこに生息する生き物が壊滅するだけではなく、周辺の生態系をはじめ営農環境や人の生活に大きなダメージを与えることが危惧されます。堺市は「緑の保全と創出条例」案を2月市議会に上程する方針を示していますが、堺市の緑のシンボルともいえるこの森が残土処分等で破壊されてしまったら本末転倒です。
 今度、会員の皆さんや多くの友誼団体、市民の方々に呼びかけ、開発を許さず、里山を保全する取り組みを進めていくことが必要になると考えています。是非、ご協力をよろしくお願いいたします。

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