河内長野市・堺市とのアクセス道路拡幅計画化の中止を求める要望

堺市・大阪府の回答に対する協議について

報告者 米道 綱夫

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【これまでの経過】
 河内長野市と千早赤坂村の合併協議において、河内長野市と堺市をつなぐアクセス(連絡)道路)の整備が計画されていることが昨年明らかになりました。大阪府が支援して、河内長野市側の1区間、堺市側の尾根道の市道(2区間)を拡幅するものです。その後、両市村の合併が破綻した現在も道路拡幅の計画が検討されていることから、2月9日、大阪府知事、堺市長に対して「道路拡幅計画化の中止を求める要望書」を提出しました。(22年3月会報、本会HPのニュース欄に要望書を掲載:要望書要旨を後掲)

同月2月25日付けで堺市から要望に対する回答書が届き、また、大阪府から26日付で回答が送られていました。(堺市の回答書を後掲します。)

【要望書に係る回答に対する堺市・大阪府と協議について】
 4月26日(月)午前、本会メンバー7名が堺市役所に赴き、農業土木課、道路計画課、道路整備課職員(計6名)と次のことについて話し合いをしました。
(協議概要)
(会) 河内長野市が千早赤阪村との合併話が破談になった後も市道拡幅計画があるのか。
(市) 堺市のハーベストの丘より延伸して河内長野市への道路をつなげる(地図を元に説明)計画は平成17年南北道路のワーキンググループとして始まり、平成21年春、千早赤阪村合併話で合併支援の一環として市道畑下里線が計画された。
支援項目として堺市に対して河内長野市から道路整備の協力を求めてきた。
これは合併を前提とするものである。その後合併話がなくなり中断せざるを得ない(府からの補助金が白紙)しかし、地元からの要望もあり、農業振興の面から妙見尾根(市道釜室豊田1号線)拡幅を含めた案の検討をしている。
(会) 道路の必要性はなくなったのではないか。
(市) 道路の必要性はあるが緊急性はない。予算もまだ検討中で堺市独自でできるとは思わない。国の補助金を必要とするなら必要性について充分な調査検討が必要だ。
(会) 計画が既に道路ありきになっていないか。
(市) それはありえない。ただ前回検討した中で畑下里線は一部車が対向できない場所があるのは事実で、拡幅がいいのかどうかはその時検討された話だ。
(会) 今の段階では拡幅はないと見ていいのか。
(市) 拡幅がないとかあるとか言う話しでなく、今はその畑下里線がいいのかどうかも決めていない。さらに調査する金もないので計画することもまだの話である。
最後に計画をするのであれば是非自然環境に配慮した道路計画であることを望むし、建設しない事も選択肢の一つに入れるべきだということに対して、堺市は予算が下りなければ建設もないとの返答がありました。

 また、5月25日(水)、道路拡幅整備に対して支援する立場の大阪府市町村課に電話で回答に対する質問等を行いました。
(協議概要)
(会) 合併破綻前に、府の合併支援としてどのような内容を予定していたのか。合併特例法によるインフラ整備の補助金の上乗せ等の制度等か。
(府) 旧法ではインフラ整備の起債の特例があったが、河内長野市合併は合併特例法の新法が適用されるケースであり、支援メニューが限定されていた。河内長野市からの要請を受け支援することになっていたが、合併協議の過程の段階であったため、具体の支援内容までには至っていなかった。
(会) 合併が破綻した中で、府の支援はなくなったのか。
(府) 合併は破綻したが、引き続き河内長野市から要望を受けており、府として支援すると伝えていた経過があることから、合併が破綻したからと言って全く関わらないということにはならないと認識している。
(会) 合併が破綻した中で、市町村課が関わることはおかしいのではないか。
(府) この間の経過上の関わりから、オール大阪府として当課が対応している。具体の段階になれば関係所管の対応となると考えている。
(会) 府としては指導等を行う立場ではないとの回答であったが、河内長野市から整備の支援要要望を受けていることから堺市に道路整備を促す考えなのか。
(府) 堺市から具体のものが出てこない限り、府から積極的に対応することはない。
(会) 堺市から引き続き支援を求められているとのことだが、先日の堺市と協議で、整備の優先順位は低く計画はペンディング状態との返答だった。府の回答の堺市から引き続き支 援を求められているためということと合致しないが、事実関係はどうか。
(府) 合併が破綻後に堺市が支援を求められてきたのは事実。ただ、具体の支援を求めてきたものではない。
(会) 今後どのような対応ができるか検討を行っていきたいとの回答だが、一般的には整備費用の補助が考えられるが、どのような支援を考えられるのか。
(府) 現状は、具体的に何も考えていない。
合併が破綻した中で府が引き続き支援をする理由は成り立たたず、経過があったため支援を検討するという姿勢をあらためるべき。また、自然を破壊してまで道路整備をするという考えを府内部で再考されたい。今後、必要な段階で協議したい旨を伝えました。

 以上、行政側との話し合いの中で、道路整備の緊急性なく、また、堺市は国・大阪府の補助金等の支援がない中で市単独での対応はないと考えられますが、今なお、堺市、大阪府とも河内長野市と堺市をつなぐ道路整備は必要であるとしています。

 今回の要望等で堺市等に当該道路拡幅の公共事業が自然破壊を招き、行政施策にも矛盾することを認識させることができました。当面、大きな動きはないと推測されますが、現在、東西道路の工事が進められ、平成26年には東西道路の開通が予定されており、開通前後に新たな局面が予想されることから、今後適宜、対応していきたいと考えますのでご協力をお願いします。

以下は要望書

平成22年2月25日

鉢ヶ峯の自然を守る会
  代表 米道 綱夫 様

堺市長 竹山 修身

堺市道釜室豊田1号線等の道路拡幅計画化の中止を求める要望書(回答)

 市道釜室豊田1号線及び市道畑下畑線の拡幅計画につきましては、地域農業団体等の要望を受け、現在大阪府の田園空間整備事業「堺南部地区」において進められております東西道路の完成を見据え、南部丘陵地区のさらなる農業振興を図るため、能動整備として、国・大阪府の補助金による事業化の検討を行ってきたものです。

 また、南部丘陵地域における交通アクセスの向上と、周辺地との地域連携による本地域の活性化に寄与するという点からも、当該道路の整備は従前より必要性を認識しております。

 このような中、河内長野市・千早赤坂村の合併協議において、本要望書の中でもお示しの市道畑下里線〜東西道路〜泉北2号線のルートが「堺へのアクセス道路」として位置づけられたものです。

 本市におきましては、両市村の合併協議に伴う大阪府の支援策の中で「堺へのアクセス道路」への国の交付金制度を運用した支援が示されたため、当該道路の事業化方針を決め、地元等への説明を行ったものです。
 しかし、その後両市村の合併協議が不成立となったことにより、当該道路の整備については、現在事業手法も含め検討を行っております。

 今後につきましては、当該道路の整備の必要性に鑑み、事業化に際しましては、庁内の関連計画との整合、関連事業の進捗状況等とともに、本要望書でいただいております環境への影響等のご意見を踏まえ検討を行ってまいります。

建設局 道路部 TEL(072)228-7423
産業振興局 農政部 TEL(072)228-6971

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