03年ホタル調査報告

報告/酒井和子

 03年の「ホタル調査」では、調査員の方々には、お忙しい中、また、お疲れのところ鉢ヶ峯に出向いて調査いただき、誠にありがとうございました。梅雨時とはいえ雨にたたられた夜も多く、ご苦労もあったかと、改めてお礼申し上げます。

 今夏のホタルの発生は5月末に5頭(田中稔さん報告)とあるように、早くから発生していました。これは全国的な傾向のようで、「ホタル前線早まる」(日経、6/17)にもあるように温暖化の影響とも見られています。
 鉢ヶ峯での特徴は、ここ数年発生が少なかった第二豊田川と法道寺川の合流地点で今夏は多く見られたことと、法道寺川の下流の、「(仮)ふれあいの森」への墓地−仮設駐車場への陸橋付近のツルヨシ群に、最大で30頭ほどのゲンジボタルの乱舞が見られたことでした(82年は1頭)。これは「ふれあいの森」方面への仮設橋建造のため、法道寺川の一部の土砂をさわったことによる異変とも見られ、一時的な現象とも思われます。
 今後に懸念されることは、「ふれあいの森」の森の館や駐車場、車道の街灯などの明かりの問題です。ホタルの交尾・繁殖に何らかの影響を及ぼさないかどうか、気遣われます。吹田市山田ではヒメボタルの保護に、発生期間中は公園や緑地の街灯を時間制限で消すなど、地域ぐるみの協力で保護に努めています。市街地の明かりや広告用のサーチライトなどで闇夜がなくなり、星空を観賞する機会も失われつつありますが、光害の問題は生き物にとってはさらに深刻だと思われます。

なお、この報告書は堺市と大阪府の関係部署に提出します。

 

資料(図表作成/山本浩平):Windowsファイル
20030927a.xls 概要
20030927b.xls 詳細